カテゴリー「07 編集室の窓」の117件の記事

2013年11月13日 (水)

編集室の窓:『書斎の窓』2013年11月号に掲載

 いま、統計学の重要性が見直されています。関連書が大いに注目を集め、売れているようです。既成の価値観が揺らぐ混迷の時代には、方法論への関心が高まるといえそうです。政治学の領域から、久米郁男先生の『原因を推論する』が出されます。質的研究と計量分析の背景にある考え方を読者に身につけてもらうことをめざす書籍です。
 マーケティングの領域からは、照井伸彦先生と佐藤忠彦先生による『現代マーケティング・リサーチ』が刊行されます。変動し続ける市場を読み解くためのデータ分析を明らかにする概説書です。
 知識を得るために重要な役割を果たす図書館は、その情報化の動きが急速に進展しています。その動向を盛り込み、新たな枠組みを提示するテキスト、山本順一先生編『新しい時代の図書館情報学』も刊行されます。
 さらに日本認知心理学会がまとめ上げる学習・研究の手引書『認知心理学ハンドブック』、石井敏先生・久米昭元先生・長谷川典子先生・桜木俊行先生・石黒武人先生による入門書『はじめて学ぶ異文化コミュニケーション』も刊行されます。今月も、時代の要請に応える書籍を多く刊行します。ご期待ください。(M・S)

2013年5月23日 (木)

編集室の窓:「書斎の窓」2013年5月号に掲載

生活保護基準の引下げと、それによる生活への様々な影響が議論されています。書籍に何ができるかを自問自答する中で、ある先生から、研究者の役割は、問題を発見し、調査・研究によって真実を追究することとうかがい感銘を受けたことがあります。様々な問題に時を超えて挑む研究と教育の成果を、書籍という形にして、学問と読者の橋渡しをすることができればと思います。今月もそうした迫力ある本が目白押しです。

 

『自殺のない社会へ』は、自殺を社会・経済問題として捉え、緻密な調査と実証分析からその要因を明らかにする意欲作です。

 

様々なイメージをもたれる中国を客観的に理解するために必要な基礎知識を、第一線の研究者がまとめた『はじめて出会う中国』は、高校生も読める叙述にこだわった画期的な入門テキストです。

 

大阪が独自に諸産業の集積と多様性を育み産業発展を遂げた姿に迫る『近代大阪の産業発展』は、「機械工業」「雑貨産業」「公設試験研究機関」の視角から、産業発展のプロセスを綿密に検証する労作です。

 

『入門証券論(第3版)』『経済学・入門(第3版)』もぜひお読みください。(M)

 

2013年5月15日 (水)

編集室の窓:『書斎の窓』2013年4月号に掲載

東日本大震災からはや2年が経ちました。震災を境に日本社会は大きく変わったようでもあり,変わっていないようでもあります。毎年変わりなくやってくる3月11日には,改めて時代を見つめ直す必要があるのでしょう。そのための1冊が,安全で快適な科学技術や社会システムを構築するために不可欠な考え方を明らかにする『心理学から考えるヒューマンファクターズ』です。

震災で注目された環境・エネルギー,災害といった課題にも答え,現代地方財政のトピックスに焦点を当てる最新テキスト『Basic地方財政論』も刊行されます。

昨年は自殺者が減ったというニュースがありました。震災の影響はまだわからない段階でしょうが,現代社会の最重要課題の1つである自殺問題・対策を経済学の視点から解明する『自殺のない社会へ』が刊行されます。

相変わらず不安定な国際情勢が続いています。今後,どのように展開するかを読み解くためには理論が有効となります。『国際政治学』『国際紛争と協調のゲーム』『コンストラクティヴィズムの国際関係論』『国際紛争 〔原書第9版〕』など力作群がこの春に刊行されます。ご期待ください。(M. S.)

2013年3月18日 (月)

編集室の窓:『書斎の窓』2013年1・2月号に掲載

 昨年は、 晩秋から年末にかけてアメリカや韓国で大統領選挙が行われ、 中国では最高指導層の交代があり、 そして日本でも衆議院議員選挙が行われるなど、 政治変動の大きな年でした。 日本の政治が、 そろそろ安定してくれることを願うばかりです。

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2012年12月26日 (水)

編集室の窓:『書斎の窓』2012年12月号

今月は休載です。

編集室の窓:『書斎の窓』2012年11月号に掲載

日本の家電メーカーの苦戦が続いています。少し前までは世界を席巻していたのに,状況が一変しました。何が原因なのでしょうか。最も重要な要因は,世界市場で商品が売れないことにあるのかもしれません。そこで,日本企業のマーケティングの実力を検証した『日本企業のマーケティング力』をお薦めします。分析のみならず,重要な示唆に満ち,行く末を見据えた力作です。

さらに,顧客との関係性ではどうでしょうか。欧米の優良企業と比べ,日本企業に熱狂的なファンはいるのでしょうか。企業と顧客との関係をとらえる論理を解明する『リレーションシップ・マーケティング』も,いま最も必要とされる洞察に満ちあふれています。

一方で,国や政府は,国民から信頼を得られているでしょうか。政府にとって重要なのは市民から信頼されることであると説く『財政赤字の淵源』が,いよいよ刊行されます。現在の膨大な財政赤字がいかなる経緯で生まれてきたかに肉迫する渾身作です。

もう一つの日本の大きな課題,子どもの学力低下については,実態に迫り,活用できる知識育成の必要性を指し示す待望著『数学的・科学的リテラシーの心理学』が出されます。(M・S)

2012年10月15日 (月)

編集室の窓:『書斎の窓』2012年10月号

今月は休載です。

2012年10月 4日 (木)

編集室の窓:『書斎の窓』2012年9月号に掲載

ロンドン・オリンピックの大興奮から3週間,夏の疲れを吹き飛ばす勢いの力作が,この秋の政治学分野に並びます。

まずは,中東の事例を政治学分析の俎上に乗せて他地域との比較を可能にしようとする野心的なテキスト,酒井啓子編『中東政治学』です。15人の中東研究者が,主要な国々の政治変動を,政治体制・社会運動・国際政治の側面から分析・解説します。

新進気鋭の研究者による意欲作3作が続きます。青野利彦『「危機の年」の冷戦と同盟』は,人類が核戦争の深淵を覗いた,ベルリン危機からキューバ危機,部分的核実験禁止条約締結に至る「危機の年」の東西両陣営内部の状況や第三世界各国の動きを活写し,国際的危機における超大国アメリカとその同盟国の関係を考えます。中島琢磨『沖縄返還と日米安保体制』は,今年40周年を迎えた沖縄返還の交渉過程を,新たに公開された一次史料や,当事者・関係者の日記・回想録,著者自らの聞き取り調査を用いて実証的に解明します。木寺元『地方分権改革の政治学』は,アイディアに着目した政治アプローチを用いて日本の地方政治改革を分析し,制度はどのようなときに変化するかを明らかにします。

さらに年末にかけて,渾身の作,中西寛・石田淳・田所昌幸『国際政治学』(NLAS)などが待機しています。(Y. S)

2012年9月10日 (月)

編集室の窓:『書斎の窓』2012年7-8月号に掲載

春から夏にかけていくつかの学会を聴講させていただく機会が編集部にも訪れました。直接・間接と震災・復興関係のテーマに接することが多く,新しい問題が浮き彫りになったり,これまで隠れていた問題が顕在化したり,と昨年とは違った局面から取り組まれ,期待も新たに,学問と現実の問題は双方向の関係にあることを改めて実感します。

そこでも取り上げられるキーワード「地域」と「リスク」から新刊をご紹介して参ります。

「地域」からは,まず中国,朝鮮半島,極東ロシア,そして日本にかけての歴史を繙く『北・東北アジア地域交流史』のご紹介です。海は,国を隔てるものでなく繋ぐものであることが伝わってきます。テキストの『地域福祉援助をつかむ』では,少子高齢社会や生活スタイルに伴い変化するニーズに応えるために,地域づくりとソーシャルワークを車の両輪として捉え,具体的に解説されています。

次に「リスク」を扱う書籍のご紹介です。『はじめて学ぶ損害保険』は基礎から実践的知識まで網羅したテキストです。『リスクの社会心理学』は人間の認知・感情から社会や技術のリスクとベネフィットを考察します。

伝統ある学会の80周年記念『社会経済史学の課題と展望』は,時代と共に変遷するテーマと最先端の動向が凝縮されています。(F)

2012年8月22日 (水)

編集室の窓:『書斎の窓』2012年6月号に掲載

 東日本大震災とその後の原発事故を前にして、しばらく原稿を書くことができなくなったと、ある先生からうかがった。原発依存からの脱却もなかなか進まない今、私たちも自問自答を繰り返していかなければならないと思う。

 さて、経済学部に限らず、商学部、経営学部の新入生にお薦めしたい書籍が『ひたすら読むエコノミクス』です。人間の行動を解明しようとする社会科学のなかで、経済学は抽象的であると敬遠されがちですが、本書では、経済学を、人間の意思決定の問題として、また、市場や組織をうまく動かしていくためのインセンティブ設計の問題として取り扱っています。是非、手にとってご覧ください。

 少子高齢化が進むなか、財政再建とともに年金、医療、福祉の制度改革が喫緊の課題となっていますが、こちらの議論もなかなか進んでいません。『政策志向の社会学』は、福祉社会を展望するにあたって、その政策理念、個別政策に焦点を当て、社会学の果たす役割について、福祉社会学の第一人者が解説しています。福祉社会を考えるうえで、必読の書となっています。こちらも一読をお薦めします。 (A)

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