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2017年11月28日 (火)

『経験から学ぶ人的資源管理〔新版〕』演習問題の出題意図と解答のポイント:第13章

このページでは

上林憲雄・厨子直之・森田雅也/著
『経験から学ぶ人的資源管理〔新版〕』
2018年1月刊

第13章の「演習問題」の出題意図と解答のポイントを掲載いたします。

〔1〕まず,「直接雇用・無期雇用・フルタイム」の3つの要素がすべて備わった従業員が正社員,3つの組み合わせがひとつでも変わると非正社員と理解することが重要です。正社員のうち,無期雇用かつフルタイム勤務の働き方で職種・職務,勤務地,労働時間(残業の有無)が定められていないのが「無限定正社員」,無期雇用契約であるが,①職種・職務,②労働時間,③勤務地のいずれかもしくは複数が限定されているのが「限定正社員」です。次に,第1節の内容をもとに「契約社員」「嘱託社員」「パート・アルバイト」「派遣労働者」「請負労働者」という5種類の非正社員の雇用形態について,「雇用契約を結ぶ相手(直接雇用か間接雇用か),雇用契約の期間(無期雇用か有期雇用か),勤務形態(フルタイムかパートタイムか)の3つの観点から,それぞれの特徴をまとめることがポイントです。本文中では図(図131)を使って説明しましたが,表に整理することもやってみてください。最近,非正社員の雇用に関わる法律がめまぐるしく変化していますので,法規制の動向にも注目してまとめることも重要です。

 

〔2〕例えば,『労政時報』第3897号(20151023日)では,ユニクロ,帝国ホテル,モスストアカンパニーの地域限定正社員制度が紹介されています。また,厚生労働省の多様な人材活用で輝く応援サイトでは,201751日現在,正社員登用制度を含め,勤務地限定正社員制度,職務限定正社員制度,勤務時間限定正社員制度に関する30の事例が取り上げられていますので,関心のある事象からページをたどってみてください。事例を調べる際には,限定正社員制度を導入した目的や具体的内容,さらに厚生労働省の事例では限定正社員となった方へのインタビューが掲載されていますので,彼(彼女)らの非正社員の時と比べて仕事に対する意識がどのように変化したかなど着目して,事例間の共通点と相違点を比較分析してみると良いでしょう。

 

〔3〕本文中で説明した課題に加え,限定正社員制度を推し進めていくにあたって,次のような課題を乗り越えていく必要があると考えられます。限定正社員は職務・勤務地・勤務時間のいずれかもしくは複数に範囲が決まっていますので,無限定正社員ほど社員間で交流する機会が少なくなる可能性があります。このことは,社員同士のコミュニケーションが希薄化し,情報共有が進みにくくなり,職場の一体感が低減する問題が生じます。従来,飲みニュケーションが職場の団結力を高める手段として多用されてきましたが,特に勤務時間限定正社員の場合,終業時間が無限定正社員と異なるケースが出てきますので,夜の飲み会への参加が難しくなります。そのため,限定正社員と無限定正社員の勤務時間が重なりやすい時間帯に開催できるイベント(例えば,ランチ会)や,場所や時間,方法は上司と部下の都合に任せ,ある意味強制的に上司と部下でミーティングさせる仕組み(例えば,本間浩輔[2017]『ヤフーの1 on 1――部下を成長させるコミュニケーションの技法』ダイヤモンド社)を通して,組織全体のコミュニケーションを円滑にする場づくりが,限定正社員制度の推進において重要になってくるものと考えられます。以上のように,雇用形態の変革のみに着目するだけでなく,それをサポートする人的資源管理の仕組みにも同時に検討していくことが,限定正社員制度の定着に必要になってくるでしょう。

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