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2017年11月28日 (火)

『経験から学ぶ人的資源管理〔新版〕』演習問題の出題意図と解答のポイント:第12章

このページでは

上林憲雄・厨子直之・森田雅也/著
『経験から学ぶ人的資源管理〔新版〕』
2018年1月刊

第12章の「演習問題」の出題意図と解答のポイントを掲載いたします。

〔1〕女性・高齢者とも,社会における法制整備が進むにつれ,企業がいかに収益や生産性を上げようとマネジメントしているかをまとめることが肝要です。

女性については24で学習した「多様な働き方」諸制度の充実化,コース別雇用管理,ダイバーシティ推進室の設立・活用といった動向についてまとめてください。高齢者に関しては,34で学習した早期優遇退職制度の活用,職場のバリアフリー化や職務再設計,技能指導員やマイスター制度の創設などの動向についてまとめてください。

 

〔2〕データの収集は,企業のパンフレットや公刊されている各種の会社年鑑,例えば帝国データバンク社の年鑑〔各年版〕,東洋経済新報社の日本の会社・法人所得番付〔年刊〕や,オンラインでは日本経済新聞社の「日経テレコン21」などが参考になるでしょう。横軸に年次,縦軸に女性・高齢者の人数ないし当該企業における割合(%)をとり,エクセルなどのソフトを使ってグラフ化してみてください。どの業種を例にとっても構いませんが,1970年代以降の経年推移をグラフ化しようとすれば,新興ベンチャーよりもそれなりにデータが揃っている伝統的な企業を選択して解答する必要があるでしょう。非製造業(例えば流通業など)では,雇用形態もわかれば,あわせて調べてみるとおもしろいかもしれません。例えば,女性の大半はパートタイマーとして雇用されている,という事実が発見できるかもしれません。

 

〔3〕一般に,「システム」は,その周囲の環境とうまく相互作用を行い,こうした環境との適合性が高い場合に,1つのシステムとして長期にわたり存立することになります。システムに多様性(ダイバーシティ)がある場合,たとえシステムの環境が不安定化し,めまぐるしく変わったとしても,システム内の多様な要素を組み換え,変わった環境に適応できるような構造に再編させることにより,環境に適応することが可能です。逆にいうと,システムに多様性がない(すなわち,システムを構成する要素がそもそも少ないか,あるいは要素間の関係性がある特定のパターンにしか組み得ない)場合には,環境の変化に対しては弱く,環境が変わればシステムとして適応ができなくなってしまうことになります。ここから,日本企業が,かつては多様性を内包させたシステムではなかったにもかかわらず,比較的長期にわたり業績や収益を上げ続けることが可能であった1つの理由は,経営環境の不確実性が,現在に比べるとはるかに小さく,長期にわたって,どういった事態になるかが予測可能な状況が続いてきたためではないか,と推論することができます。実際,1960年代以降,高度経済成長期から低成長の時代へと経済的・社会的環境は変わったように見えますが,企業経営にとっては,そのシステムの根幹を覆すほどの大変化ではなかったのです。ただ,それが1990年代のバブル崩壊や平成不況の長期化,技術革新(IT革命,ナノテク等の発達),最近ではいわゆる「リーマンショック」など,環境変化の程度が従前と比べると遙かに大きくなっており,したがってシステムに多様性をビルトインさせておく方が,経営的に有利となってきた,というように推察することが可能です。

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