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2013年6月17日 (月)

担当者語る②-2:「法と経済で読みとく 雇用の世界」

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大内伸哉・川口大司/著
『法と経済で読みとく 雇用の世界』

2012年3月発行
→書籍情報はこちら

diamond御好評いただいている本書の担当編集者に,書籍編集第二部の部員が本づくりの様子を聞きました。以下にその様子を掲載します(後編)。

★読者について・・・
編集部員A「この本の対象読者は,どこを狙っていたの? 働いている人なんだっけ?」

編集部員B「フレッシュマンの人とか?」
担当編集O「そうですね。働きはじめて何年か経って,身の回りで『なんか変だな』って思ったりしませんでした? そういう時期,そこで何が起きているかが気になったんですよ。だからそういう人とか,これから働き始める人に向けて作れたらいいなと,意識はしていました。結果的にはご紹介いただく機会が多くて,もうちょっと幅広く読んでいただいているようでとてもうれしくおもいます」
編集部員B「この本って,一般書店で多く売れてますよね。有斐閣の本って,教科書とか,大学生協で売れることが結構多いですけど。分野的には両方の棚に置かれてるんですか?」
担当編集O「いや、基本的には法学の棚に置かれているようです。日経新聞にも,『ダイヤモンド』にも取り上げられたんですけど。この間行った大型書店でも,労働法の棚にありましたし」
編集部員A「ああ,なるほど」
担当編集O「本当は経済の棚においてほしいんですけどね^^;」
編集部員B「労働問題を勉強している人とかに届けるとしたら」
担当編集O「『労働』っていう棚があれば,そこにも並べられていることもあるみたいです。サブタイトルは,少し柔らかい雰囲気も出せればという社内の別の部署からの意見を取り入れさせていただいてつけました。ただ,雇用・労働というテーマで,視点はふたつの分野にまたがるということで,ねらったところに置いてもらうためのタイトルのつけ方が難しかったですね」
編集部員A「メインタイトルだけでも伝わったかな。雑誌の特集とかでありそうだよね」
編集部員B「章タイトルは,なかなかキャッチーですよね」

★内容について・・・
編集部員A「それにしてもさ,全体的に語られているエピソードが悲惨だよね」
編集部員B「なんか壮絶でした^^;」
担当編集O「そうですよね。まあ法律問題に発展するシーンを描いているので,基本的にトラブルに遭う話になりますよね^^;」
編集部員B「冒頭のストーリーって,続き物になってますよね。こういう学術書に出てくるエピソードや事例にしては,登場人物の変化とか,すごく作り込まれていて」
編集部員A「そうそう。2年くらいの時間軸だったのかな。普段の有斐閣の本とは違うよね。話の整合性のチェックとか,違う手間がかかったんじゃない?」
担当編集O「たしかに,いつもとはちょっと違うところに気を遣いましたね。先生も『登場人物は知っている人の方が書きやすい』っておっしゃって。後で全部変えてしまいましたが,実は,原稿の段階では登場人物の名前は有斐閣の人だったんですよ^^」
編集部員B「それを編集するのは,複雑な気分ですね^^;」
編集部員A「パッと見ると,難しそうに見えるところもあるよね。出てくる法律が多いからそう見えるのかな」
担当編集O「判例とか法律や法令の名前とか,普段は目にしませんもんね。でも,こういう話だとどうしても入ってくるんですよ。ストーリーもそうでしたけど,法律関係の事実確認とか整理とか,慣れていなくてとても大変でした。Sくんにかなり助けてもらいました。通常の法律書から比べたら量もとても少ないんだと思いますが,僕としてはとても大変でした。なので,法律書の編集はすごく大変なんだなぁということも実感しました。あ,それでも法律の条文や判例要旨の見せ方はもっと考えられるかもしれない。レイアウトを工夫するとか。法律書では結構そういうところも気を使っているものも多いですし。今後の課題ですね」

★書評やうれしい反響・・・
編集部員B「帯,このあいだ新しくまき直したんですよね。東京駅の丸善で並んでたな~」
担当編集O「せっかくランキングで1位でしたから!」
編集部員A「今はどうなんだろう?」
担当編集O 「今は,ちゃんと並んでるんじゃないかな。結果的にはわりといいタイミングで増刷できたのかもしれません。刊行してから書評もいっぱい出ていましたし。うれしいです」
編集部員B「作った本で,こんなに取り上げられることって滅多にないですよね」
担当編集O「どんなかたちでも,反響をいただけるのは嬉しいですね^^」
編集部員A「いつもご研究なさってる先生方からすれば,なにかしら言いたくなりそうな本なのかもね。そういう意味では,なにかを言われることを恐れない先生じゃないと書けない本かも」
編集部員B「『ジュリスト』での対談を読んで思ったんですけど,『どうしてこうなの?』って言われるのに法学の先生は慣れてらっしゃるのかも」
担当編集O「一般的な教科書と違って,主張が結構はっきり出されていますからね」
編集部員B「おふたりの先生が喧嘩せずに議論できたんですか」
担当編集O「メールで相互に指摘しあう感じではかなりの密な議論でしたが,お互いにお互いのコメントや主張のバックボーンを理解しあうように徹底的に議論して,それでいて対立する点や一致している点を導いたり展望的なものを盛り込んだりしているのがとても印象的でした」
編集部員A「しかし,これだけ読み応えがあっても、広く読まれるもんなんだよね。ロジックをきちんと追っていくのは結構大変だよね。実は」
編集部員B「でも売れてるっていうことは,受け容れられているってことですからね」
担当編集O 「そうですよ。ちゃんと勉強されてる方・勉強したい方は実は多いってことですよね」

★今後の展開について・・・
編集部員A「この分野って,これからどうするの?」
担当編集O「『法と経済』ってことですか? これから教科書なども考えていますし,チャンスがあればいろいろな分野で今回のようなものも考えられたらよいなと思います」
編集部員B「今はキャリア教育の議論でもこういう話が注目されてますよね。重要な話ですよね」
担当編集O「そうそう。やっぱり知らないこともいっぱいあって。この本ではサービス残業の話が出てくるんですけど,それこそ『これ,いまサービス残業しながらこの校正してたら笑えないだろうな~』とかって考えてましたよ」
編集部員A「それは笑えないね(笑)」
編集部員B「私も『ワークライフバランスの制度を考えている厚労省の人のワークライフバランスは悲惨』というような話を,どこかで聞いたことがあります(苦笑)」
担当編集O「制度の話でも,労働者の不利益変更の話とか,普段働いているときにはあんまり考えていないことにも,とんでもなく大きな問題がいっぱいあったりして」
編集部員A「権利を主張することに慣れていない人も多いだろうからね」
担当編集O「そういう意味でも,本当にいろいろと勉強になった本でした」

   (おわり)

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