編集室の窓:『書斎の窓』2012年12月号
今月は休載です。
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今月は休載です。
日本の家電メーカーの苦戦が続いています。少し前までは世界を席巻していたのに,状況が一変しました。何が原因なのでしょうか。最も重要な要因は,世界市場で商品が売れないことにあるのかもしれません。そこで,日本企業のマーケティングの実力を検証した『日本企業のマーケティング力』をお薦めします。分析のみならず,重要な示唆に満ち,行く末を見据えた力作です。
さらに,顧客との関係性ではどうでしょうか。欧米の優良企業と比べ,日本企業に熱狂的なファンはいるのでしょうか。企業と顧客との関係をとらえる論理を解明する『リレーションシップ・マーケティング』も,いま最も必要とされる洞察に満ちあふれています。
一方で,国や政府は,国民から信頼を得られているでしょうか。政府にとって重要なのは市民から信頼されることであると説く『財政赤字の淵源』が,いよいよ刊行されます。現在の膨大な財政赤字がいかなる経緯で生まれてきたかに肉迫する渾身作です。
もう一つの日本の大きな課題,子どもの学力低下については,実態に迫り,活用できる知識育成の必要性を指し示す待望著『数学的・科学的リテラシーの心理学』が出されます。(M・S)
中島 琢磨 (龍谷大学准教授)/著
『沖縄返還と日米安保体制』
2012年12月刊
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2012年12月21日付『東京新聞』朝刊3面の「本の現場から」欄で,担当編集が本の紹介をさせていただきました。
「沖縄が日本に返還されて40年目の今年,関連書の刊行が相次いだ。その掉尾を飾る,気鋭の政治史学者渾身の著。日本側の返還構想と対米交渉の全容,二元外交の展開などの分析を通して,返還交渉過程を再構成。政治家,官僚,学者が織りなす沖縄返還交渉のドラマを,ぜひとも味わってもらいたい」
栗木 契 (神戸大学准教授)
水越 康介 (首都大学東京准教授)
吉田 満梨 (立命館大学准教授)/編
『マーケティング・リフレーミング
――視点が変わると価値が生まれる』
2012年3月発行
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『日本経済新聞』の「経営塾」欄で連載中の,栗木契先生「新たな市場を拓く」,第4回(2012年12月20日朝刊)は,マーケティング・リフレーミングについて。本書もぜひお読みください。
井手 英策 (慶應義塾大学准教授)/著
『財政赤字の淵源――寛容な社会の条件を考える』
2012年10月発行
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2012年12月21日号『週刊読書人』「2012年回顧総特集」の経済学分野の論評(東北学院大学・半田正樹氏「現代資本主義のあり方が問われる」)にて紹介されました。
「井手英策『財政赤字の淵源』(有斐閣)は,空前の財政赤字の源をつきとめた上で財政改革の方向性を示し,最終的に増税を受け容れる機微についてあざやかな論理を示した」
本日12月19日(水) 17時~18時の間,有斐閣ホームページのメンテナンスを行います。
上記の時間帯はサービスを一時停止いたしますのでご利用いただけません。(本ブログはご覧いただけます)
ご了承のほどよろしくお願いいたします。
栗木 契 (神戸大学教授)/著
『マーケティング・コンセプトを問い直す――状況の思考による顧客志向』
2012年5月刊
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『マーケティング・コンセプトを問い直す』の著者・栗木契先生が,2012年12月13日から『日本経済新聞』の「経営塾」欄で「新たな市場を拓く 総括」という連載をされています(全6回)。
連載の内容は『マーケティング・コンセプトを問い直す』に即したものですので,ご興味ある方はぜひ本書をお手にとってください。
『イノベーションの理由――資源動員の創造的正当化』
2012年3月発行
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2012年12月17日発売『週刊ダイヤモンド』の特集,「2012年ベスト経済書 年末年始に読みたい43冊」で,第5位にランクインしました。
大内 伸哉 (神戸大学大学院法学研究科教授)
川口 大司 (一橋大学大学院経済学研究科准教授)/著
『法と経済で読みとく 雇用の世界』
2012年3月発行
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2012年12月17日発売『週刊ダイヤモンド』の特集,「2012年ベスト経済書 年末年始に読みたい43冊」で,第9位にランクインしました。
『選挙管理の政治学――日本の選挙管理と「韓国モデル」の比較研究』
2013年3月刊
A5判上製カバー付,270ページ
定価 4,200円(本体 4,000円)
ISBN 978-4-641-14901-4
◆政治学と行政学が交錯するフロンティア◆
『沖縄返還と日米安保体制』
A5判上製カバー付,406ページ
定価 5,040円(本体 4,800円)
ISBN 978-4-641-04999-4
2012年12月刊
◆沖縄返還交渉の全体像に迫る◆
青野 利彦 (一橋大学専任講師)/著
『「危機の年」の冷戦と同盟 -- ベルリン,キューバ,デタント 1961~63年』
2012年11月刊
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2012年12月9日付『読売新聞』に書評が掲載されました(評者は慶應大学教授・細谷雄一氏)。
黒岩 健一郎 (武蔵大学准教授)
水越 康介 (首都大学東京准教授)/著
『マーケティングをつかむ』
テキストブックス[つかむ]
2012年5月刊
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著者の黒岩健一郎 先生が,本書の刊行にあたって『書斎の窓』(2012年11月号)にお寄せくださいましたエッセイを,以下に転載いたします。
◆ケースメソッドでマーケティングを教える◆
-- 『マーケティングをつかむ』 刊行に寄せて
黒 岩 健 一 郎
ショートケースに反響 このほど、 首都大学東京の水越康介先生との共著で、 マーケティングのテキスト 『マーケティングをつかむ』 を刊行した。
このテキストの特徴は、 想定読者を大学生だけに絞ったことである。 多くのテキストは、 大学生向けとは言いつつも、 大学院生やビジネスマンも意識しているため、 大学生にはやや難しい。 そこで、 私のゼミの学生に語りかけるようなつもりで執筆した。 扱う内容は、 マーケティングの基礎的な概念や理論にとどめ、 大学の授業やゼミで利用することを想定して、 九〇分で講義や議論ができる分量で区切った。
社会経済史学会/編
『社会経済史学の課題と展望--社会経済史学会創立80周年記念』
2012年06月発行
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著者の杉山伸也先生が,本書の刊行にあたって『書斎の窓』(2012年11月号)にお寄せくださいましたエッセイを,以下に転載いたします。
◆経済史研究の 「むかし」 「いま」 「これから」 ◆
--社会経済史学会編 『社会経済史学の課題と展望』 の刊行によせて
八〇周年を迎えた社会経済史学会 社会経済史学会の創立は一九三〇 (昭和五) 年一二月であったから、 今年で八二年になる。
日本の社会科学系の学会として比較的はやく創設された学会には、 一八九七 (明治三〇) 年の社会政策学会があるが、 同学会は一九二四年 (大正一三) 年にいったん活動を停止し、 戦後一九五〇年になって再建されている。 そのほか、 日本経済学会の創設は一九三四年、 日本金融学会は一九四三年であったから、 社会経済史学会は最古参の学会のひとつといってよい。
青木 幸弘 (学習院大学教授)
新倉 貴士 (法政大学教授)
佐々木 壮太郎 (和歌山大学准教授)
松下 光司 (中央大学准教授)/著
『消費者行動論
――マーケティングとブランド構築への応用』
有斐閣アルマSpecialized
2012年5月刊
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著者の青木幸弘 先生が,本書の刊行にあたって『書斎の窓』(2012年10月号)にお寄せくださいましたエッセイを,以下に転載いたします。
◆消費者行動研究と学会、 そしてテキスト◆
--有斐閣アルマ 『消費者行動論』 の刊行に寄せて
青 木 幸 弘
去る六月四・五日の両日、 西宮市の関西学院大学上ヶ原キャンパスにおいて、 第四四回消費者行動研究コンファレンスが開催された。
このコンファレンスは、 日本消費者行動研究学会 (Japan Association for Consumer Studies: JACS) が、 春と秋の年二回開催しているもので、 今回は学会設立二〇周年を記念して、 三つの基調講演と二つのパネル・ディスカッション、 そして統一論題と自由論題を合わせて、 三五の研究発表が行われた。 また、 引き続き、 設立二〇周年の記念行事として、 秋のコンファレンス (一〇月二七・二八日に慶應義塾大学三田キャンパスで開催予定) では、 米国消費者行動研究学会 (Association for Consumer Research: ACR) の現会長ら三名の研究者を招聘し、 記念講演が計画されている。
大谷 孝一 (早稲田大学名誉教授)
中出 哲 (早稲田大学准教授)
平澤 敦 (中央大学准教授)/編
『はじめて学ぶ 損害保険』
有斐閣ブックス
2012年6月発行
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著者の中出哲先生が,本書の刊行にあたって『書斎の窓』(2012年10月号)にお寄せくださいましたエッセイを,以下に転載いたします。
◆損害保険は深くて広い世界◆
-- 『はじめて学ぶ 損害保険』 を執筆して
中 出 哲
この度、 有斐閣から大谷孝一先生と平澤敦先生と私の共編で 『はじめて学ぶ 損害保険』を出版いただいた。 編集・執筆にあたった一人として雑感を記させていただきたい。
損害保険に関する関心は高まっている。 テレビでは自動車保険の広告が頻繁に流れているし、 東日本大震災を契機に地震保険に対する関心も高まった。 しかしながら、 損害保険を詳しく理解している人は必ずしも多くはないように思われる。 この本は、 損害保険をはじめて本格的に学ぶ方、 具体的には、 大学で保険を学ぶ学生を主要な読者層として執筆したものである。