編集室の窓:『書斎の窓』2011年4月号に掲載
昨夏の猛暑から覚悟はしておりましたものの、今春の杉花粉の飛散に、まさに悲惨な状況にあります。そんな中でも書籍編集第二部は、一所懸命本造りに励んでおります。
さて、今春も話題作・意欲作が目白押しです。玉井真理子先生・大谷いづみ先生編『初めて出会う生命倫理』は、科学や医療の進歩によって複雑になっている「いのち」を考えます。安藤寿康先生著『遺伝マインド』は、環境決定論でも遺伝決定論でもない新しい遺伝観と、それをふまえた環境と社会の見方を提示します。サトウタツヤ先生・渡邊芳之先生著『心理学・入門』は、身近に感じたこと、興味をもったことから始める入門書です。
北岡伸一先生著『日本政治史』は、放送大学教材をベースに、幕末から冷戦終結に至る百三十年余の日本政治を、外交と権力の相互作用の観点から分析・考察します。
小西砂千夫先生編『市場と向き合う地方債』は、健全な地方債市場の育成に向けて真の改革を訴えます。水越康介先生著『企業と市場と観察者』は、マーケティング方法論研究における共約不可能性をめぐる議論から、新しい方法論を検討します。
その他、改訂版も続々登場します。(Y.S)