編集室の窓:『書斎の窓』2011年1・2月号に掲載
昨年の出版界は黒船「電子書籍」号に話題を独占された観がありました。今年はどういう一年になるのでしょうか。世間がどうあれ、私たちは本年も自らのポリシーで本をつくってまいります。
さて、書籍編集第二部からは昨年末に、意欲的な書籍が次々と刊行になりました。
まず、公共政策学とは何か、どう教育されるべきかを考える秋吉貴雄先生たちの『公共政策学の基礎』、政府は何を担うべきか、私たちは政策をどのように評価すべきかを考える林正義先生たちの『公共経済学』、現代社会のグローバル化を見据え、共生可能な社会を構想する西原和久先生・油井清光先生編『現代人の社会学・入門』、「感情」研究から見える新たな人間観を示す大平英樹先生編『感情心理学』などいった教科書があります。
加えて研究書にも、より良き統治を実現するにはシビック・パワーが必要と説く坂本治也先生の『ソーシャル・キャピタルと活動する市民』、性と雇用形態に中立な同一価値労働同一賃金の実現をめざす森ます美先生・浅倉むつ子先生編『同一価値労働同一賃金原則の実施システム』などの力作が目白押しです。
本年もご期待ください。(Y.S.)