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2010年12月 1日 (水)

『入門・日本経済』第7章(社会保障) 練習問題解答

1 社会保障給付費の概況を説明し,日本の特徴を指摘せよ。

(解答例) 2008年度で約94兆円,対国民所得比約26.8%。部門別では,年金が急増し半分以上を占め最大,医療が約3分の1で残りが福祉である。年金,医療の比重が高く,福祉は小さい。また,高齢者給付が全体の7割を占めるのに対し,児童・家族向けの給付はきわめて限定的である。


2 日本の医療費保障制度の基本的な枠組みを説明せよ。

(解答例) 職域または地域をベースに3500以上に分立した公的な医療保険制度のいずれかにより,原則としてすべての国民がカバーされる国民皆保険体制。その土台となっている市町村国保への高齢者の集中を高率の公費助成や老人保健制度,その後の新しい高齢者医療制度による財政調整で支援。保険医療機関の選択やサービスの価格は行政が一元的に公定。


3 2004年の年金改革の概要を説明せよ。

(解答例) 制度の基本構造は不変である。負担の範囲で給付を行うこととし,毎年段階的に保険料を引き上げ2017年度以降は固定する。また,2009年度までに基礎年金の国庫負担を2分の1へ引き上げるとともに100年かけて積立金を取り崩し,給付に充当する。一方,被保険者数の減少や平均的な年金受給期間の伸びを勘案した「マクロ経済スライド」で年金額を自動調整する。国庫負担の引き上げは行われたものの,恒久的な財源は確保されておらず,デフレ基調のなか,「マクロ経済スライド」もいまだ実施されていない。

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