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2010年8月19日 (木)

付加データ:『経験から学ぶ人的資源管理』 「演習問題の出題意図と解答のポイント」第8章

上林憲雄・厨子直之・森田雅也/著
『経験から学ぶ人的資源管理』

2010年10月刊
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第8章「組織は人にどのような報酬を与えるのか」
演習問題(179ページ)の出題意図と解答のポイント

〔1〕
3-2で説明されているとおり,基本給には「人基準賃金」(年功給と職能給)と「仕事基準賃金」(職務給と成果給)の2種類がありました。

(上より続く) それぞれの特徴とメリット・デメリットについては,3-2の(1)の記述内容をもとに,表に整理してまとめると,違いが明確となって良いでしょう。ごく簡単には,人基準賃金は長期的な人材育成と柔軟な配置・異動がしやすいこと,仕事基準賃金は貢献度と給与を連動させることが可能な点にメリットがありました。一方,デメリットには,人基準賃金は貢献度と関係なく,年齢や勤続年数に比例して給与が上昇することに従業員の納得感が低下することや,潜在能力を評価対象としているため人件費が上昇しやすいこと,仕事基準賃金は短期的な視点で仕事を進めることを従業員に意識させてしまう傾向にあることや,配置・異動の柔軟性に欠けることが挙げられます。また,日本企業における基本給の変化に関しては,図8-4に基づいて,人基準賃金から仕事基準賃金に至るまでの大まかな変化をまとめてください。

〔2〕
人事部へのインタビューや,人事制度に関する社内資料をもとに,所属組織の賃金体系を調べてください。ただし,難しい場合は,自分の給与明細書を分析すると良いでしょう。また,〔1〕でまとめた,人基準賃金と仕事基準賃金のメリットとデメリットに照らし合わせながら,自社の賃金体系を分析することがポイントです。問題点が抽出された場合には,解決策まで提示できれば望ましいです。仮に全社一律の賃金体系が導入され,給与に対する従業員の満足度が低下しているケースでは,3-2の(2)で説明したように,個人のキャリア・ニーズを考慮に入れた賃金体系を設計することが一案です。ただ,どのような賃金体系を選択しようとも,人事評価の結果との整合性が求められますので,第6章で学習した人事評価の4つの基準との連動のあり方にも着目しながら,考えるようにしましょう。

〔3〕
日本生産性本部が2010年に新入社員を対象に行った「働くことの意識調査」によれば,働く目的として「楽しい生活をしたい」(37.7%),「経済的にゆたかな生活を送りたい」(21.9%),「自分の能力をためす生き方をしたい」(17.3%)が上位3項目に挙がっています。相変わらず,経済的報酬の重要性は高いですが,近年,内的報酬に対する勤労者の魅力度も高まっています。「楽しい生活をしたい」という従業員の要望は,仕事と仕事以外の生活の調和を意味する「ワーク・ライフ・バランス」(第15章参照)を大切にする価値観を持つ勤労者が増え,時間が重要な報酬として考えられていることを意味します。こうした状況下では,第15章の表15-2でまとめられている,短時間勤務制度やフレックスタイム制を整備することで,従業員に労働時間の選択に関する意思決定権を与え,それを新たな報酬として位置づけることが可能です。また,「自分の能力をためす生き方をしたい」という勤労者は,能力開発の機会を選べることを重要視しますので,自律型キャリアを支援する諸施策(第5章参照)が報酬として重要になるでしょう。このように,勤労者の働くことに対する価値観の変化を調べ,それに対応する形で企業がどのような報酬の仕組みを導入しようとしているかを,産業や業種の違いに着目して議論することがポイントです

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