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2010年8月19日 (木)

付加データ:『経験から学ぶ人的資源管理』 「演習問題の出題意図と解答のポイント」第6章

上林憲雄・厨子直之・森田雅也/著
『経験から学ぶ人的資源管理』

2010年10月刊
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第6章「組織は仕事の結果をどのように評価するのか」
演習問題(136ページ)の出題意図と解答のポイント


〔1〕
第2節で学習したように,人事評価の基準には,能力評価,情意評価,行動評価,成果評価の4種類がありました。

(上より続く) それぞれの基準が何を重視するものかに触れながら,特徴をまとめることが重要です。成果評価は,目標管理を通して,企業目標と個人目標を結びつけ,企業に対する貢献度を,能力評価は将来的な成果を期待し,その人が保有する潜在的な能力(職務遂行能力)を,情意評価は仕事に対する態度や意欲を,行動評価は成果に直結する行動(コンピテンシー)を,それぞれ評価するものでした。特に,特定の職務で高い業績を発揮する行動特性を指すコンピテンシーと,職種横断的に設定される職務遂行能力とでは,前者が顕在能力,後者が潜在能力で,性質が異なることを理解しておいてください。さらに,従来の日本企業では,職能資格制度を基軸に,能力評価や情意評価が重視されてきましたが,近年のプロフェッショナル化の進展や評価の曖昧性の問題を背景に,行動評価や成果評価が中心に行われるように変化していることを,新聞や雑誌の情報にも着目しながら,まとめてください。

〔2〕
人事部へのインタビューや,人事制度に関する社内資料をもとに,所属組織で採用されている人事評価の基準を調べてください。ただし,難しい場合は,上司がどのような基準を重視して自分を評価しているか,聞き取りをしてみましょう。また,自社の人事評価の優れている点と問題点については,〔1〕でまとめた,4種類の人事評価の基準のメリットとデメリットを整理して,分析することがポイントになります。問題点が抽出された場合には,解決策まで提示できれば望ましいです。例えば,全員一律に成果評価が重視され,評価がうまくできていない部門が出てきている組織では,営業部門は数値目標が明確なため成果評価や行動評価の割合を多くし,生産部門は技能伝承やチームワークが求められるため能力評価や情意評価の比重を高めるなど,各職種の仕事特性に応じて評価基準を変える,といったアイディアが挙げられます。

〔3〕
知識経済の進展とともに,業務の高度化が進み,部下の管理をしながら,自らも一人のプレイヤーとして個人業績を高めることが求められる管理職(プレイング・マネジャー)が増加し,彼(彼女)らの疲弊を招いていることが,経営上の大きな問題の1つとなっています(労務行政研究所〔2010〕「管理職層をどう活性化するか」『労政時報』第3766号,労務行政,2010年1月22日,6-88ページ)。評価結果の納得性を高めるためには,数多くの評価項目や緻密な手続きを用意することは確かに重要ですが,一方で,そうした煩雑な仕組みを運用するプレイング・マネジャーの負荷をますます増大させてしまいます。その結果,1人ひとりにかける評価の面接時間が尐なくなり,人事評価の質が低下して,被評価者の納得感が低くなる可能性が出てくるでしょう。90年代初頭以降,日本企業で成果主義が導入され,手続き的公正を高める目的で,評価の項目や手続きを精緻にすることばかりに焦点が当てられてきました。しかし,管理職の業務負担が高まっている今日,極端とはいえ,コーヒーブレイクで取り上げた「メガネ21」のケースのように,人事評価のシンプル化の方向も,検討してみる価値があるといえるでしょう。

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