新刊:『韓国の工業化と半導体産業』
吉岡英美 (熊本大学准教授)/著
『韓国の工業化と半導体産業
――世界市場におけるサムスン電子の発展』
A5判上製カバー付,252ページ,定価 3,990円(本体 3,800円)
ISBN 978-4-641-16354-6
2010年4月刊
◇韓国産業の成長の理由,その核心をサムスンのあゆみに探る◇
韓国の産業発展のメカニズムを捉えるために,最も成長著しい主導産業である半導体に焦点を当てて分析する力作。中心企業=サムスン電子の事例分析をコアとすることにより,グローバル化した世界のなかでの韓国産業の躍進の理由の核心に迫ることに成功している。
〈もくじ〉
序 章 問題の所在
1 本書の目的
2 韓国経済と半導体産業
3 技術面からみた韓国の産業発展メカニズム
4 韓国半導体産業に関する先行研究
5 方法と構成
第1章 DRAM市場におけるサムスン電子の成長
1 後発企業から先行企業への変貌
2 DRAMの販売市場の確保
3 製造装置の調達源
第2章 DRAM市場におけるキャッチアップのメカニズム
1 DRAM需要の牽引役の交代
2 後発企業への参入障壁
3 後発企業の参入
第3章 技術のキャッチアップのメカニズム
1 半導体分野の技術の分類
2 半導体企業と製造装置企業の分業関係の進展
3 半導体企業から製造装置企業への要素技術のシフト
4 DRAM市場の競争に与えた影響
5 キャッチアップ過程におけるコスト優位の形成
第4章 先端技術の獲得
1 技術能力の評価基準
2 模倣から技術革新への飛躍
3 技術発展の要因
第5章 標準化活動を通じた先行優位の確立
1 DRAMの開発競争の展開
2 標準化活動を通じた先行者利益の獲得
3 DDRアーキテクチャの普及をめぐる競争と協調
終 章 総括と展望