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研修が終わり,編集部に配属されて1ヶ月弱。仕事もまだほとんどわからない状態で,はじめて学会というものを傍聴させていただきました。大学時代あまりまじめに勉強する学生ではなかった私にとって,さまざまな研究者の方々が集まる究極の「勉強」の場である学会は,まったくもって未知の世界でしたが,振り返ってみるととても刺激的で不思議な空間だった,というのが率直な感想です。
私は大学で社会福祉学を学んできたのですが,今回傍聴させていただいたのは「福祉社会学会」,社会学と社会福祉学のそれぞれの知見が交錯するテーマをあつかう学会でした。
書籍編集第2部に配属されて間もなく,私は,ある合宿に参加する機会を得ました。その合宿はただの合宿ではなく,来年出版予定の政治学分野の教科書のための合宿で,朝から晩までずっと研究会が続くというものでした。
テキストブックス〈つかむ〉,いよいよ刊行です。
昨秋11月号の「窓」で案内しましたように,①ステップを踏んで学ぶことによって確実に理解し(ホップ),②学問の仕方を学んでその果実を味わう面白さ・喜びを見出し(ステップ),③確実に理解することによって現実を視る眼を養う(ジャンプ)ことをめざした,新しいテキスト群です。理解の基礎単位をユニットという短いひとまとまりにおき,確実な理解とステップ的な学習を可能にしました。
竹田陽介・小巻泰之『マクロ経済学をつかむ』,神戸伸輔・寳多康弘・濱田弘潤『ミクロ経済学をつかむ』,前多康男・鹿野嘉昭・酒井良清『金融論をつかむ』を皮切りに,経済系,経営・商学系,人文・社会系の各分野で企画が進行しています。ご期待ください。
研究書では,共に気鋭の研究者による二作の外交史研究が登場しました。君塚直隆『パクス・ブリタニカのイギリス外交――パーマストンと会議外交の時代』と,服部龍二『幣原喜重郎と二十世紀の日本――外交と民主主義』です。前者は,パーマストンを主人公に十九世紀イギリスのジェントルマン外交を,後者は,幣原喜重郎を主人公に二十世紀日本の霞ヶ関正統派外交を描いたものです。イギリスと日本を代表する外政家の世界を,じっくりとお楽しみください。(S)
*弊社のPR誌『書斎の窓』(月刊)に掲載されている,当部の近況案内「編集室の窓」を転載しました。