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2005年6月 1日 (水)

編集室の窓:『書斎の窓』2005年7・8月号に掲載

日本経済はいまだ梅雨空,相変わらず倒産や不祥事のニュースが耳に入ってきます。こうした環境もあるのでしょうか。経営学・経営史研究が盛ん,注目の書の刊行が続きます。

宇田川勝・佐々木聡・四宮正親編『失敗と再生の経営史』は,日本企業における失敗とは何か,失敗から再生へのパターンも視野に入れ,その諸類型を明らかにします。従来の「成功」と「発展」をもたらす人間の理念や行動の探究だけでは,部分的理解に止まらざるをえないという限界性の理解から,20世紀初頭から現在までの11の事例を分析した意欲的な共同研究です。

「戦略」「顧客志向」もキーワードです。曺斗燮・尹鍾彦『三星の技術能力構築戦略』は,驚異的な成長を遂げた三星電子の力の源泉,技術学習の発展段階と技術能力構築戦略の相互関係を明らかにした労作です。川上智子『顧客志向の新製品開発』は,新製品開発におけるマーケティングとR&Dの部門間関係と顧客情報の利用に焦点をあて,顧客志向の有効性と課題を考察します。伊藤宗彦『製品戦略マネジメントの構築』は,デジタル機器の製品開発戦略を検証,戦略立案力を問うものです。ご期待下さい。(I)

*弊社のPR誌『書斎の窓』(月刊)に掲載されている,当部の近況案内「編集室の窓」を転載しました。

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