編集室の窓:『書斎の窓』2005年4月号に掲載
4月は,各大学とも新入生で賑わいます。将来を託せる人材へいかに教育してゆくか,先生方も全身全霊で対応しておられます。今月は新しいテキストをご紹介します。
最近の高校教育では,歴史を学ぶ機会が少なくないといわれます。大野先生著『途上国ニッポンの歩み』は,日本はなぜ短期間に近代化に成功したのかを,江戸から平成までの主要トピックスを追い,わかりやすく解説しました。「日本」が理解できる1冊です。
経営学ではケースを使った講義が行われています。米倉先生編『ケースブック 日本のスタートアップ企業』は,ベンチャービジネスの定義を捉え直し,企業家がいかにして初期市場を発見し新規事業企業として成長を遂げたかを,ホンダ,ソニーからスクウェアまで,特徴的なケースについて成長の軌跡を追い,その条件を明らかにします。
社会福祉の原理を学ぶためには,歴史的な歩みの理解が不可欠です。岩崎・池本・稲沢先生著『資料で読み解く社会福祉』は,福祉国家,社会連帯,ソーシャルワークなど社会福祉の最も根底的な概念について,重要資料から学ぶ新しい教材です。
大学教育にふさわしく,勉学に役立つテキスト群をぜひ手に取ってみてください。(K)
*弊社のPR誌『書斎の窓』(月刊)に掲載されている,当部の近況案内「編集室の窓」を転載しました。