編集室の窓:『書斎の窓』2004年10月号に掲載
アテネ・オリンピックでの日本女性の活躍には目を見張るものがありますが,大きく見れば女性の社会的進出がその土壌をなしている,と言うのも過言ではないでしょう。しかし,その社会的進出の道程には厳しいものがありました。男女共同参画社会が謳われている今こそ,女性の歩みを見直し,今後を見据える営みが求められていると言えましょう。
7月に刊行された鹿野政直著『現代日本女性史』は,戦後から現在までを通した思想史家の書下し女性史です。そこでは,日本のフェミニズムの歴史的位置づけがなされるとともに,男性上位の企業社会の中で,悩み,もがき,抗ってきた女性たちの行動,思索が跡づけられ,意味づけられています。
また,進藤久美子著『ジェンダーで読む日本政治』は,市川房枝や環境運動家,女性官僚など,戦前から現在までの女性たちの運動や政治への取組みに焦点を当て,近年の女性の政治参画の進展は,政治にジェンダー複眼の視座を組み入れ,新しい共生の政治文化を生み出すことを検証しています。
定評ある『女性のデータブック』も、第4版が年内に刊行されます。あわせてご一読,ご活用下さい。 (I)
*弊社のPR誌『書斎の窓』(月刊)に掲載されている,当部の近況案内「編集室の窓」を転載しました。
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