編集室の窓:『書斎の窓』2004年6月号に掲載
CD-ROMを付録として添付した書籍はすでに何冊も刊行されていますが,添付されたCD-ROMは,いずれも書籍の価値を高めています。今月は,最近の既刊書の中から,2点をご紹介しましょう。
まず,アルマシリーズの『オーストラリアの歴史』です。先住民,ジェンダー,社会史をも含むテーマを読みやすく描いたオーストラリア入門ですが,付録のCD-ROMには,地名,歴史的人名,事件などを網羅したオーストラリア事典と,3000項目以上の検索が可能な年表が収録されています。情報量はまさに本の10倍は優に超えます。きっと「得した」と思われる付録です。
もう1点は『実践エスノメソドロジー入門』(単行本)です。人間同士の相互行為を研究するために,会話分析や身体行為に注目する分析手法エスノメソドロジーが社会学を始め,多くの分野で注目を集めていますが,事例をもとに,実践的に学ぶことを狙いとしています。付録のCD-ROMは,実際の分析場面の音声・映像を使いながら,研究の基本であるトランスクリプトの書き方・分析法を学びます。「本を理解するにはまずCD-ROMを」というお勧めができる付録です。
ぜひお役立てください。(K)
*弊社のPR誌『書斎の窓』(月刊)に掲載されている,当部の近況案内「編集室の窓」を転載しました。