編集室の窓:『書斎の窓』2003年7・8月号に掲載
現代社会の変化や学問研究の時代的変遷に伴い,大学のカリキュラム構成の内容も急速に変わりつつあります。特に,情報・環境・国際・政策などの領域が重要性を増し,関連学部・学科の新設だけでなく,こうした領域に関する総合講座や特殊講義などを設置する大学が増えつつあるようです。羽場久み子・増田正人編『21世紀国際社会への招待』は,法政大学社会学部の導入教育向けのテキストとして企画され,国際社会の歴史と現状について,各分野の第一人者が初学者向けに平易に解説した魅力的な《国際社会・入門》です。大学で国際社会論や国際政治学,国際経済学を学んでいくうえで必要な基礎知識がバランスよく習得できるよう工夫されており,国際社会を見る眼を養うのに最適の書です。
経営学の分野では,D・S・ビュー=D・J・ヒクソン著(北野利信訳)『現代組織学説の偉人たち』が注目の一冊です。組織理論の発展を組織パラダイムごとに整理し,約七〇人の主要学者の理論が紹介されています。組織論の全体像を理解するのに大変便利な《人物事典》となっており,経営学史や組織論を学ぶ学生・院生にとって価値ある必携書です。(I)
*弊社のPR誌『書斎の窓』(月刊)に掲載されている,当部の近況案内「編集室の窓」を転載しました。