編集室の窓:『書斎の窓』2002年10月号に掲載
小社の環境問題関連書籍に,タイムリーで興味深い一冊が加わります。
21世紀の最大の課題のひとつが,環境問題への取組みであることは間違いありません。その際,「環境保護」とともに「環境再生」が重要な視点として認識されつつあります。永井進・寺西俊一・除本理史編著『環境再生』(有斐閣選書)は,世界的な新しい潮流となっている環境再生運動について,川崎市の公害地域再生の取組みを中心に紹介・分析した良書です。
このケースの特徴は,「日本環境会議」に参加している社会科学系の研究者を中心に組織された「かわさき環境プロジェクト21」の協力のもとに,公害被害者自身が環境再生とまちづくりに取り組んだことにあるといえますが,被害の救済・補償を超えて,被害者の生活を取り巻く地域の再生がいかに重要であるかが鮮明に示されています。
今後,「環境再生」が環境問題の重要キーワードになっていくと思われますが,真の環境再生とは,公害地域の再生(リジェネレーション)を図るとともに,良好な環境が維持できるまちづくり(サスティナブル・シティ)への転換をも意味していることが,本書を通じてご理解いたただけると思います。ご一読をお奨めいたします。(I)
*弊社のPR誌『書斎の窓』(月刊)に掲載されている,当部の近況案内「編集室の窓」を転載しました。
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