編集室の窓:『書斎の窓』2001年11月号に掲載
大学も多様化が一層進み,個性と差別化の求められる新しい時代になってきました。社会や学生のニーズに対応すべく,カリキュラムや講義内容・形態も変化し,多様な試みと工夫がなされているようです。
それに伴い,大学テキストの出版を主軸とする小社でも,いま本当に求められているテキストとはどのようなものだろうかということが正面から問われていることを痛感しています。暗中模索のなか,日々議論を重ね試行錯誤の状況が続いているところです。
そんな課題の一端に答えるべく,今月は新しい試みを盛り込んだ新刊をお届けいたします。網羅的解説を超え,市場経済の解読という斬新な視座を中心とした『経済学の歴史』(有斐閣アルマ),組織研究・学習における具体的調査法を紹介した『組織調査ガイドブック』,金融システム再生に向けた処方箋を基軸に制度・政策・課題を解説した実践的テキスト『金融システムの再生にむけて』,経済白書の内容の変遷を素材に戦後日本経済の波瀾に満ちた軌跡を描く『経済白書で読む戦後日本経済の歩み』(有斐閣選書)など,それぞれ一味違う魅力的な好企画です。(I)
*弊社のPR誌『書斎の窓』(月刊)に掲載されている,当部の近況案内「編集室の窓」を転載しました。